この病気に罹患してから、人生に於ける実に沢山のことを学んでいる。

その1つに、『すぐに諦めず、見方ややり方を巧みに変えて、創意工夫すれば、なんとかゴールまで辿り着ける』という事がある。


とりわけ、今の自分が置かれている状況でいえば、筋肉に力が入りずらくなってきて、今まで出来ていた事が徐々に出来なくなってきた時に、創意工夫でやり方は今までとは異なるが、また同じ動作が出来るようになると言うこと。

ALSの臨床症状は人によって大きく異なるが、自分の場合、下半身の末梢部分から神経の変性と筋肉の萎縮が見られ、右半身の方が進行が早く、屈筋群より伸筋群の筋肉の方が圧倒的に進行が早い。

そうは言っても、神経変性・筋萎縮に明確な規則性は無いようで、半ば『気まぐれ』的に進行している感じなので、太ももの大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋から成る)の筋力が落ちてきているとはいえ、一概に足が全く動かないとは言えない(外・内側広筋はダメでも、大腿直筋はまだ大丈夫だったりする)。


自分の体なのに、もう、わからないことが多すぎて、本当に付き合いにくい。早く別れたい!


でも、病気の進行が規則性に欠ける反面、1つの動作で使用する筋肉を、まだ筋力が比較的衰えていない筋肉に切り替えれば、出来ないことも出来るようになったりする。


例えば、腕の肘関節を屈曲させて、物を持ち上げて自分の方に寄せる動作。

最近、上腕二頭筋の筋肉が弱くなって、カバンや買い物袋を持ち上げにくくなってきているが、手首の向きや角度を変えたり、持ち方や持つ位置を変えたり、まだ比較的筋力があって、上腕二頭筋と同じ肘関節の屈曲の動きをする前腕の腕橈骨筋や、上腕筋を使うように意識すると容易に持ち上げることができたりする。

また時には、既存や自作の道具を巧みに利用する『ハイブリッド作戦』を遂行。弱くなってきた筋力を補うような道具の使い方をする。

途中経過はどうであれ、どんなに見た目がカッコ悪くても、目的を達成できればそれでいい。最終的には道具を使ったっていい。自分のことは、出来るだけ自分でやりたい、出来るだけ最後まで。

ALS……日々進行する病気なので、毎日が創意工夫、試行錯誤との闘いの連続。

はあ、気が重い。いつまで続くのか………


困難や壁にぶつかった時、今まで通りのやり方じゃなくて、創意工夫して違うやり方をすれば、何とかなる。

何とかなることのほうが多い。

この病気に限ってのことではなく、ベタだけど、 ヒトの人生のいろんな場面でも言えることだよなあ。

こういう大事なこと、もっと早く、まじめに実践しておけば今頃幸せだったのかも。
 
 
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