娘が生まれるまで、父親になる実感がまるっきり湧かなかった。

娘は生まれてすぐ黄疸の症状を示して、保育器に数日間入れられることになった。

出産翌日、五時半に仕事を終えて急いで病院に向かい、てっきり病室でママに授乳されてスヤスヤと寝てると思いきや、悍ましい保育器に入れられて、目隠しされ、怪しい青白色の光をあてられ、無力にも、健気にこの世界で生きようとしている尊い新しい命を目の当たりにして、

その時、初めて、『父親』になったんだなあ、と実感しあの子を一生守ってあげる、側にいてあげたいと涙ながらに覚悟を決めた。


そして、


その瞬間…


自分の『人生』という舞台から、主役の座を降りることになった…………。



これからの自らの人生の主役は、もはや自分ではなく、

うまれてきた、愛おしい娘。


娘が舞台に登場した以上、自分は、引き立て役、単なる脇役に過ぎない。


娘のために生きる、家族のために生きる、

結婚して子供をもつ、ってそういうことなんだろう。

主役交代して人のために生きる、そういう人生もわるくないもんだ。


そう、俺には何が何でも生き続けないといけない絶対に譲れない理由がある。

なんとしても、どんな形でも、例え全身の筋肉が完全麻痺しても死ぬ訳にはいかない。

こんな訳の分からん病気に圧倒されて負けて落ち込んでいる場合じゃない。

愛する娘のために生きないと。

死ぬまで、生きて生きて生き抜いてやる。

主役を支える脇役として……

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