身体が不自由になって、それだけでも日々の生活が辛く感じることが多く悩みが尽きないけど、その他にも思いの外、不自由に思う事が多い。
その代表的なものが、駐車場。
健康だったときは、もちろん、こんなことで悩んだことがなかったが、杖や車椅子になった途端に、浮上してきた駐車場問題。
杖だった頃から、車のドアはそれ以上開かなくなるまで全開に開け、シートの肩の部分とドア内側の内張りの部分に手を掛けて、腕の力を使って立ち上がっていた。
車椅子になってからも車種や介助者の有無、乗り降りの方法にもよるが、やはり、ドアは全開にしないと車椅子に乗り移ることが困難。
つまり、車の前後左右に車椅子が行き来できたり、ドアを全開にできるような余裕が、駐車する時にどうしても必要になる。
そうでないと、車を停めても降りることが出来ず、身動きが取れずに意味がない。
身体が不自由な方が優先的に駐車できるスペースは、そういったことを考慮されて(考慮されずにとって付けたかのように取り敢えず設置されたのもやたらと多い、専用スペースすらないところもある)、車体の 前後、特に隣の車との間隔は斜線で差別化され、ドアを全開にしても隣の車と接触しないようにスペースに相当な余裕が持たされている。
身障用駐車スペースは単にお店や建物の入り口から近いというだけでない。
もちろん、入り口から近い位置に車を停められることは自分にとっては重要で、車椅子を漕ぐ負担の軽減にもなる。特に雨が降ってるときは、傘がさせず濡れるだけでなく、手の平や車椅子のタイヤについているハンドリムというクルクル回して漕ぐところも濡れてしまうので、元々握力が弱い上に、雨水でツルツルすべって、いっこう前に進まない。ちょっとした傾斜があろうもんなら、そこでほとんど立ち往生。
身体障害者用駐車スペース。
自分には非常に重要な意味を持っているが、いつも停められるとは限らない。
っていうか、停められない事の方が遥かに多い。
いっつも誰かに停められている。
そんなに車椅子や障害者のひと多い?
実際は自分たちが思っている以上に、車椅子や身体障害者手帳を持っている人は確かに多い事が分かった。平成27年の全国の障害者(知的、精神障害者を含む)の数は788万人にのぼり、実に全国民の約6%がなんらかの障害を持っていることになる。
普通に歩けてピンピンしてて、一見、健常者となんら変わりのないように見える人でも、内臓の機能的疾患を持っていたりして手帳を所有していることが普通にある。
ただ、手帳を持っていても、もし必要性がなければ、やたらめったら身障者用スペースに車を停めるのは考えないといけない、無理のない範囲で。
障害者の中でも、譲り合いは必要である。手帳は特権でも優先チケットでもなんでもないからね。
しかしながら、大きくなった子供連れや高齢者が利用してるのは、正直理解に苦しむ。
大きい子供連れは議論のしようがない。
百歩譲って高齢者だったら誰でも駐車して良いなら、今後訪れるであろう超高齢化社会で、どれだけの数の身障者用スペースをつくったらいいのか?今現在でも4人に1人は高齢者なのに、このままだったら将来的には、下手したら駐車場の半分は身障用駐車スペースにしないと、本当に必要な障害者が停められなくなる、確実に。
それならまだしも、絶対に違うだろ〜おまえ、っていうアニマル柄のファーをダッシュボードに敷いて、窓にはもはや違法なんじゃない?というレベルの黒のレースのカーテンをつけて派手に装飾した改造軽自動車や、ちょっとした段差でフロントスポイラーをガリガリ擦ってしまうくらいに車高を落としてフルスモークでヤンキース仕様のクラウンや高級車が、そういった身障者用駐車スペースに堂々と停めてあるのを見かける事が多い。
ある意味障害者同然。
しかも、買い物終えて戻ってきたコワモテ風のお兄さんが、サッサと帰らずのんびり、ヤンキース車の前でうんこ座りして悪気も無くタバコを吹かして一服してる。
まさに、奇跡的な光景。
「昭和かっ!」ってツッコミ入れたくなる。昭和の生き残りがまだここに。写メ撮っていいですか?
型落ちのクラウン弄るのが定番なのか?新型のクラウンアスリートの方が好きだけどな、個人的には。
まあ、そういった方々の中にも、もちろん、身障用スペースを必要としている人は絶対にいるはずだし、一概にみんながマナー違反とは言えない。
でも、多すぎ‼️
最近までは、マナー違反と思われる車の運転者には、声掛けて必要性が無ければ控えるようにお願いしてたけど、たまに口論になったり、そうで無くても後味悪いので、もう見て見ぬ振りする事にした。
でも、やっぱり気になる。言ってもわからないんだろうけど、言わないともっとわからない。さすがにヤンキースには言わないけど……
アメリカのハンディキャップ駐車場には『100ドル罰金』って、目立つ様にデカデカと公的な標識が立っている。場所によっては最大500ドルの罰金が課せられる事もあり、頻繁にパトカーが往来しているので、怖くて絶対に停めようとは誰も思わない。その代償は大きすぎるし…
アメリカンポリースは本当に容赦ない。ちょっとでも不審に思われると、すぐに青色赤色灯を派手に輝かせ、大音量で複雑な音色のサイレン鳴らして職質される。時には車内も物色され、その時は釣りの帰りだったので、日本から持ってきた蚊取り線香を持っていたら、爆弾か麻薬かなんかの不審物だと思われすぐに応援呼ばれ、パトカー数台に取り囲まれた事も。
また、高速道路でスピード違反の車を、対向車で走行していたポリースがレーダーで捉え、しばらく経って安心した頃に背後からUターンして襲ってくる事も。
ポリース、あなどれない。
話を戻して……日本じゃ公道だったら警察の管轄なんだろうけど、身障者用駐車スペースのほとんどが私有地なのでその土地の所有者の定めたルールに従うだけ。罰則なんてありゃしない。
甘いよな、日本。ポリースに見習うべき。
それ以前に、日本人のモラルの低さに問題があるからなんだろうなあ。
自分も人の事言えた柄じゃ決してないけど……
まさか、優先駐車場の意味誤解してるのでは?電車やバスの優先席感覚で駐車しているの?電車やバスなら例え優先席に座っていても、身体に障害がある人に声掛けられれば、席を譲ることは出来るが、駐車場ではそう簡単に出来ないよね。
障害なんて関係ない、縁がない、と思っていても、自分みたいに青天の霹靂で突然、障害者になる可能性が誰にだってありうる。
まさに、明日はわが身。決して他人事じゃない。
でも、ポリースは本当に怖い。
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